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asagi maeda life work blog

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2009年 07月 07日

新しいウェブサイト、新しいブログへ。

5年ほど、更新していなかったウェブサイトをリニューアルオープンしました!


www.asagimaeda.com


それに伴って、ブログも新しくしました!

ウェブサイトの中からブログが見れます。


ココからも飛べます。


なので、これからはそちらのブログに更新して行きたいと思っておりますので、引き続きご愛読よろしくお願い致します!

# by aasaag | 2009-07-07 23:50
2009年 04月 11日

大掃除

NYのSOFA展用に、ネックレスを一つ仕上げたのが先月下旬。月末にアメリカに郵送して、今月に入ってから、アトリエの大掃除をしています。

今回のテーマは、捨てる事。そして、スッキリ整理すること。

アトリエと言っても、実家の自分の部屋だったのを、3年前にベットだけを隣の部屋に移動して、実際生活用品も何もかも全部この部屋にあったのですが、生活のものは全て隣の部屋に引っ越しして、ここはアトリエだけにするのです。

この大掃除は、もう去年の夏くらいからやりたいやりたいと思っていたのですが、展示が続いて全く暇を持てませんでした。

それで、今年はアメリカに行くのを諦めて、思い切って掃除&部屋の改造をしようと思ったのです。

いざ初めてみたら、思った以上に大変でした。

掃除をするのがへたくそだからか、逆に散らかってしまって、大変なことになっています。

全然違う空間にしようと思っているし、実家なので赤ちゃんの時のものから何もかも色んなものがあるのです。

部屋の中で、様々な過去に会いました。タイムトリップばかりしていて、何一つはかどらない日もありました。

昔の写真や日記、お手紙、もう山のようにあります。捨てる気満々でしたが、ひも解いてみると、本当に宝物ばかりで、やっぱり捨てられず。この辺は結局取っておくことにしました。

そして、物を捨てながら、つくづく思ったことは、もうゴミになるようなものは買わない。という気持ち。

燃えないゴミは、特に心苦しいです。

そして、気がついた事。

ジュエリーはエコだ。ということ。

なぜなら、金属はまた溶かして使えるからです。石だって、高価だから、リフォームという形でリサイクルされていく。

そう思うと、地球にやさしい仕事で本当に良かった!と思いました。

なんだか今年は、この大掃除&夏のアートの展示で、私自身とてもリセットされそうです。

一歩ひいて、色々見渡してみる、要らない物は捨てて、本当に大切なものだけをすくい取る。

そういう作業がとても必要だったように思います。

部屋がきちんと整理されて、広い空間が出来たら、頭の中も整理されて、心に余裕も出来る事でしょう。。。

今年に入ってから、私の頭をくるくるとまわる言葉。

捨てる。シンプルになる。何も無くなったところで、浮かんでくるもの。または、何も浮かんでこなくても良いと思える心の余裕。
空間。心の空間。静けさ。
響き。響き合う。

音の響くような作品を作りたいと思っているのです。

響かせるために空間が必要で、そのために整理して捨てることが大切だったのかもしれません。

自分でも、夏の展示には一体どんなものを作ったら良いのか、まだちっとも考えついていないのです。

掃除をしたら、何か見えてくるのでしょうか。

色々なものが見えて、そして消えて行きます。

静かな心で、スクッとそんな中から何かを掴み、形に出来たらと思っています。

# by aasaag | 2009-04-11 00:08
2009年 03月 08日

刻の余韻

3/10まで、目白のゆうどというギャラリーで開かれている岩波久美子さんの写真展に行って来ました。


刻の余韻_e0001473_22185417.jpg




ガラス工場で職人が打ち捨てた吹きガラスの破片を10年ほど撮り続けた作品たちでした。

写真というのは、非常に不思議です。もう一歩向こう側を見せてくれるように。

繊細なガラスの破片、モノクロの写真。まるで木炭デッサンのような、しっとりとした静かな作品でした。

写真家の松本路子さんとのトークにお伺いしたのですが、その中でとても印象に残った事。

「ガラスというのは、水のような状態で、つまりまた熱を加えれば、溶けて形が変容する。陶器なんかは、冷めて固まってしまえば、もう熱を加えても元には戻らない。でも、ガラスは溶けて、別のものになる。だから今ただこの形に留まっているという状態。」

なるほどー!と思いながら、ああ金属もそうだなあと思う。

今、私の作る形に留まっているだけという金属を使って制作している、というのは、なんだか、言葉で形容しがたいけれども、自分の中でとてもピンとくるものがありました。

岩本さんは、とてもゆっくりした方で、この展示も構想10年らしいです。

そして、一枚一枚、たっぷりと時間をかけて一人で楽しみたいと思うような写真。

私は心の中の奥底には、誰も知らない花が誰のためでもなく、実はひっそりと咲いているのではないか、と思っていて、その花のイメージがモノクロで自分の中に実はあるのです。

見ようとするとそっぽを向いてしまうような、暗闇に咲く、白い美しい花。

「美」という言葉を、イメージに置き換えた時、この花が浮かびます。

いつか作りたいと思っているモチーフの一つです。

そして、岩波さんの写真を見た時、「あの花だな」と思いました。

この花を追いかけるには、ゴチャゴチャ生きていては駄目なのです。

ずーんとペースダウンして、ゆっくりじっくり、心が一つの音になるまで、全てをそぎ落として行った所に、一瞬ふと見えるのでは、なんて思っているのです。

私はいつも、こういう作品にとても惹かれるのです。

シンプルで、奥深いもの。

自分が真逆のものを作っているからなのでしょう。きっと。。。

展示には、予備校時代からの親友で、家具作家の鄙里沙織さん(夏に一緒に二人展をします)と一緒に出かけたのですが、帰りにご飯を食べながら。

そんな話(じっくり時間をかけた奥深いものに惹かれる。。。)をしていたら、「あさぎは即興だよね」と言われました。

あんまり意識していなかったのですが、まさに。。。

頭を抱えて掻きむしりたくなるくらい、私は即興の人です。

そしてますます、心の花は遠のくのですが、でもいつも憧れているのです。

「瞑想する形」とか、そんなタイトルを付けてみたいものです。

話は、ずれてしまいましたが、岩波さんの展示は火曜日までです。

# by aasaag | 2009-03-08 23:00
2009年 02月 19日

織り物になった自分の姿

織り物になった自分の姿_e0001473_137303.jpg


テキスタイル作家の阿久津光子さんの作品です。

昨年の10月のボストンでの個展にいらしてくださって、その時に撮った写真から、ジャガード織りという手法で作られたものです。

彼女の「影」のシリーズで、唯一人物が写っている作品だそうで、(それが私で)ちょっと自慢げに嬉しいです。

阿久津さんの織りは、本当に素晴らしいものばかりで、織りのイメージがガラッと変わりました。路上や壁に描かれる、あるとあらゆる矢印を写真で撮って組み合わせてある作品や、グラフィティが主題になったいたり、アプローチが非常に面白く、そして何よりも色や構成がおしゃれです。

この作品は、今回モントリオールでの彼女の個展に展示されるらしく、とても嬉しいです。

今年は9月に青山で個展をされるそうなので、またその時にこのブログでもお伝えしたいと思います。

# by aasaag | 2009-02-19 13:16
2009年 02月 19日

無意識の中にある場所

展示の後、いただいたオーダーを一つ一つ仕上げていました。

まだ全て終わってはいないのですが、今年はNYでのSOFA showが4月中旬の開催で、そのための作品を作らなくはいけません。

久しぶりのアートジュエリー制作にワクワクです。

去年のSOFAでは昔書いたBlue room というお話をネックレスにしたので、今年は A trip to the subconscious (潜在意識への旅)というお話をネックレスにすることにしました。

このお話は、以前ブレスレットにしたのですが、リアルな夢の中の話です。お話自体、ウトウトしている時に書きましたから、夢で見たようなものなのです。

これが、そのブレスレット。
無意識の中にある場所_e0001473_1210889.jpg


私は実は最近夢をあまり見ないのですが、以前は毎日当たり前に夢を見ていて、しかも現実と混乱してしまいそうなくらい不思議な夢をたて続きに見ている時期がありました。

その頃、夢でいつも訪れる街というのがあって、その街には現実には行った事がないのですが、夢の世界では私はどうやらそこに住んでいるらしいのです。

夢の中で知っている街に住み、夢にしか出てこないアパートに私は住んでいました。何度も何度も出てくる場所なのに、現実には知らないのです。不思議です。

このネックレスも、その街が出て来ます。というより、その街が主題です。

その街の中を歩いて、一つのビルの中に入り、エレベーターに乗って、降りると受付がある。受付には受付嬢が待っていて、彼女について、どんどん階段を上って行くと、展望台に着く。
展望台からは街が一望出来て、その部屋の真ん中には透明のドーム。
「この街は、あなたのイマジネーションが全て存在する街です。」
「このドームから全てが発信されています」
そして、そのドームを覗き込むと、自分の目の中に、その街が存在していた。

というお話です。かいつまむと。。。

現実世界ではないので、思いっきり夢の中のようなボンヤリした風景をネックレスでは表現出来れば良いなと思っています。

ブレスを作ったのは5年前なので、あれからだいぶ経ちました。

もう一度、そこに戻って探検してみるのには良い機会かなとも思いました。

実は、その街は私の中にはもう存在していないのです。

とても不思議なのですが。。。

つい最近、お話を書こうかなと思って、無意識の中に素材を探しに出かけたのですが。

以前はまず、この街に入り、歩いていると人に出会ったり、建物に入って行ったり、この街を散策しながら、簡単にお話が作れたのです。

でも、いつからか、そういうお話は書かなくなって、数年経ち、その間にかなり色々な心境の変化があり、私は随分違う人となったようです。

無意識に入って行こうと、目を閉じた時、まず見えたのは水面に光るキラキラの光でした。

その水面に写る自分の顔。湖に、森。気持ちよい暖かい風。

なんて素敵な場所なのかしら!

そして、お話のことなんかすっかり忘れて、その空気を満喫していました。

。。。。

あの頃、私は誰もいない近未来的な不思議な街で、ビュービュー風に吹かれながら、さまよい歩いていたのです。

常に孤独を感じていたし、そんなことは当たり前なのだと思ってました。

あの風の吹き荒むコンクリートと灰色の空の世界は、もう私の心の中にはなくて、全て記憶です。

ただ、記憶としてまたネックレスに作ってみるというのも、それもまた面白くなるかもしれないな。。。と思っているところです。

壊れてしまいそうと色んな人に言われていたように、私は一度壊れてしまったんだろうと思ってます。あまりにも鋭敏で、感受性が強すぎて、ギリギリのバランスで生きていたのに、なのにひどく強がっていて怖いもの知らずでした。

あの街は、そんな私の心そのものだったのだと思います。

そして今、とても穏やかで満ち足りた心があるのですね。それは不意打ちのような驚くべきことでした。無意識を探検して初めて気がつきました。
それは、ひょっとしたら、やっと自分を受け入れてあげることが出来るようになったということかもしれないな。と思っています。

# by aasaag | 2009-02-19 12:53