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2006年 01月 09日

怪しい話が続く理由

最近、どうしてこんな急ピッチで怪しい話を書いているかというと、普通に焦ってるからなんですが、ではどうしてそんなに焦ってるのかというと、今まで確実に持ち続けてたゴールっていうのが、消えてしまったからなのです。

何故かいつも数ヶ月先までのプランははっきり見えていて、展示があったり、納期があるから、必死で制作して来たのだけど、去年の終わり位から、突然ポカンと色んな事に意味を見いだせなくなってる自分に気づいて、それからポカンとしてます。
(まあ、だからこのブログもはじめたんだけど)

そういうことはあるよ、と言われるし、多分あるんだろう、とは思う。
今まで、美術館に作品を入れるぞ、とか、アメリカで個展したい、とか、どこに売り込む、どのくらいビックになりたい、とかそんなことばっか考えてたのだけど、なんだかそんなことはどーでもいー、と思うようになってしまった。
いや、勿論美術館に入ればいいな、とは思うし、アメリカで個展したければ、すればいいと思う。
実際、ニューヨークの美術館が私の作品をコレクションにと言ってくれて、マイアミのギャラリーで個展をという話とか、夢見てたことなのに、間近になったらなんてことない。
いや、美術館の方はそうなってくれるといいけど、マイアミの話は実はほぼ断ってしまった。ひどくやる気になれなくて、その原因が一体どこにあるのかというと、“結局、商品になりたくない。”と思うから。

アートをやってくれって言うけど、ギャラリー側はやっぱり売れるものが欲しいので自由にやらせてくれるわけではなく、これ系のラインで作ってと言われた作品が学生時代に作ったもので、作ろうと思えば作れるけど、それは今の自分ではない。
そのギャラリーはかなり大きいらしく、パリにもすごく大きいギャラリーを持ってて、絶対にやるべきだとも分かってたし、向こうから話を持って来てくれたわけで、すごく熱心で、ものすごく良いチャンスなのも分かってる。けど。
でもvisionが全然見えないのです。

多分何をやってもビジネスからは逃れられない。
よく、アートとビジネスの狭間で、という言葉があるけど、今になって本気でその意味が分かる。今までは、ビックになりたい、という気持ちがそのバランスを取ってたんだと思うけど、どうやらそのバランスがひどく壊れてしまったのかもしれない。
でも、今は本当に作りたいものを作りたい。
で、a reader of tale から始まる去年の夏の制作っていうのは、初めて本当に作りたいものを作った体験で、せっかくここまで来たのに、また商品の中に頭を突っ込んでしまいたくないから、焦ってるのです。

そんなことを言うと、世の中っていうのは、そんなに甘くないんだよ、やりたくない事だってやらなきゃいけないんだって怒られると思う。そうだな、甘いよな。とも思う。
でも、昔から思ってた事は「やりたくない事をやる我慢も大切だと思うけど、やりたい事を本当の本気でやることの方が、ずっと大変で実りある。」ということ。
そのかわり、本当の本気で自分が出来る最高のものをやる、ということ。遊びじゃなくて。マジで。言い訳出来ない、逃げ場がない状況。多分一流の人たちっていうのは、ここを通り抜けて来たのかな、と思う。

個人のオーダーは基本的に作るのは好きで、そのジュエリーを身につけてくれてるところを想像して楽しく制作が出来るけど、行き先も分からないで作りたい訳でもなく生活の為に作ってると、本当につらいものです。
しかも、アート作品に関しては、一つ作るのに2、3週間確実にかかるのに、そんな時間と労力を無駄にして売れるか分からないけど、ギャラリーが喜ぶものを自分のステップアップの為に作るなんてのは、やっぱり絶対おかしい。と思ってしまった。

(そうだ。だから私はやっぱり間違ってない。)

私にしか作れないものっていうのは、絶対条件。
でも、今の私にしか作れないものっていうものを作らなきゃ。。。

だから、今また振り出しに戻った気持ちです。
とりあえず、個人のオーダーに取り組みながら、真剣にもう一度、何をどうしてどのように作りたいのかっていうのを考えたい。
このブログに、書く、という行為でもう一度去年の(とか過去の)自分を振り返って、頭の中を整理したいと思ってるのです。
それに、全然ジュエリーじゃなくてもいい、とも思ってます。(本気で、振り出し状態です。)
一番大切なのは、私にはメッセージがあって、そのために作ってるのだということ。
手段なんて、何でも良いのです。結局。

多分何年かに一度、こういうクリアランスの時期っていうのがあるのかもしれない。
とりあえず、真っ白にしてみようっていう。
それから、本気で何をやりたいのか考える。
で、去年の制作を振り返る為には、夢や前世や、怪しい話もかなり絡んでくるのです。
だから、しばらくは怪しい話続くかもです。
驚かれると困るので、先に言い訳でした♪

by aasaag | 2006-01-09 13:36


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