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asagi maeda life work blog

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2006年 02月 20日

想いが馳せる部分

murgraphこと、下平晃道さん(シモン)が、「まばたき」という画集を出しました。詳細はコチラから。
シモンは造形大の先輩で、在学時はほとんど知らなかったのだけど、去年の夏に再会。面白い人です。

大学卒業した頃にたまたまシモンの展示に行く機会があって、その時にだいぶドカンとやられました。
それは絵の展示だったのだけど、私がやられたのは、一枚の手紙(?)葉書(?)だったかな。それとも電報だったのか、忘れましたが、シモンが作り上げた架空の人物からの「個展おめでとう」の手紙。
それも、展示なのですが、隅にちょこんと、手紙と多分確か、観葉植物みたいなのが送られて来てる設定だったのかな。(違ってたら、ごめんなさい)
とりあえず、架空の人物を作り上げて、その人をまるで伝説のようにしたてあげて、その人の周りにあったものや、残したものなんかを展示する。
みたいな、文字で書くと訳分からない(私も段々混乱してきた)ような展示をしていたのでした。
例えば、ビールの空き瓶があった時に、それはただのビールの空き瓶なんだけど、その架空の人物(名前さえも忘れた。すいません)があの時、こんな状況で飲んだビールの空き瓶なんだよ。と言う事で、それはもうただのビールの空き瓶ではなくなる。とか、そんなようなことを展示したかったそうです。
個人的に、それはたまらなく面白い!と思ったのだけど、分かりにくいので、その展示はやめてしまったらしい。

まあ、そんなことをしていたシモンですが、今では売れっ子の画家さんです。
シモンの絵を見てると、「想いが馳せる部分」ってのがあります。
たまらなく懐かしくなる部分であったり、遠い何かを思い起こさせる様な部分です。
それで、その「想いの馳せる感じ」っていうのはシモンが昔やってた「物に思い出をくっつけて特別な物にする」っていうのと、ものすごく感覚的に似てます。
音楽を聴いて、切ない気持ちになっちゃうのとすごく似てる気がします。
まばたきをするほどの美しい世界、みたいに書かれているのはすっごく分かるんだけど、asagi的にはなんだかひどく懐かしいような切ない気分になります。
何回か前の夏の夜の出来事をホワッと思い出す様な感覚です。

この人は本当に面白い人です。未だに2、3回しか会った事がないけれど、底なし沼のような想像力がある人で、不敵な笑みを浮かべます。
それがあんまりにも不敵な笑みだから、底なし部分を連想せざるをえません。
怖いけど、知りたい。みたいな感じです。

by aasaag | 2006-02-20 19:24


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