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asagi maeda life work blog

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2006年 08月 16日

herbert

の、ライブに行ってきました。
ーーー感動しました。。。

matthew herbert という人が率いるイギリスのバンドです。音楽はかなりJazzぽくて、でもエレクトロニカなんだけれども、オーケストラの生音と掛け合わせてあります。ボーカルの声が天から降ってくるように、美しい。。。。
この夏、一番聴いて、一番影響されたアーティストです。

ライフログの中にもあるscaleというアルバム。そのためのライブだったのですが、このアルバム、なんと723個の物の音をサンプリングして作られてるそうです。
(ということは、さっきホームページで知りました。。)
普通、そんなに沢山の音をサンプリングしてしまうと、どう使っていいか分からなくなって、めちゃめちゃになっちゃいそうですが、herbertのすごいところは、全てがピッと一つに美しく美しく配列されているところ。

訳の分からない アート音楽ではなく、いわゆるMac音楽ではなく、出来上がった音楽は本当に美しい、誰でも受け入れられる様なメロディアスで、案外シンプルなもの。
でも、その背後には、ものすごい分厚い層の音があって、よく聴くと本当に様々な音が入ってます。

herbertの音楽は基本的にすごくおしゃれなので、さらっと聴いてしまうのだけど、この夏、私がすっごいはまって何度も何度も聴いてしまったのには、こういう音の要素がチラチラ覗くのが、たまらなく魅力的だったからです。
にしても、723個とは、到底想いもよらない数字でした。家具やキッチン周り、お菓子やおもちゃ、生活品の様々な音、色んな種類の鳥の鳴き声、乗り物など。

723個の音をサンプリングした、ということは、その何倍分かはサンプリングしているはずです。勿論全部採用するわけではないと思いますから。
。。。すごい。
この数でまず思い浮かべてしまったのは、エナメルのことです。
moments of sunset には96個のエナメルピースを使ってますが、全部で400個くらい焼いた中の96個でした。
それでも私にとっては、こんなに焼いたのに!って感じだったのですが、herbertのサンプリングの数はものすごいんだろうな、ということです。
この程度で文句言ってちゃダメですね。

herbert のホームページ (www.matthewherbert.com)の中で、scaleを作った時のサンプリング風景が見れるのですが、これが、すっごい面白い。
ドラム音を廃鉱になった鉱山(地下)で録音したり。気球の上(上空)や、車の中で走りながら録音してみたり、海の中に半分ドラムを沈めて音を撮ったり。
様々な状況の中での音の変化をサンプリングしていきます。
それらの映像を見ていたら、なんだか泣きたくなってしまいました。
なんて、素敵な大人。なんでも、やってみるところが素敵です。

こういうartistになりたいです。
ありとあらゆる要素を使って、一つにピッと納まる、でも分厚い作品。
誰も真似できないやり方なのに、誰にでも分かる様な作品。
余裕があって、おしゃれで、でもその裏側にはすっごい遊び心が詰まっている。
人の何倍もやっているから出て来る余裕みたいな。
大人だなー。。。それって。。。
誰でも知ってる道具を使って、理解しにくいような意地悪なものを作るartistが沢山居る中で。

今日、なんだか私はものすごく重要な事に気付いた気がしました。
それは多分、これから時間を経て分かってくる事かもしれません。

今日のライブは本当に良かった。まっすぐに心に届きました。

by aasaag | 2006-08-16 03:05


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