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2009年 03月 08日

刻の余韻

3/10まで、目白のゆうどというギャラリーで開かれている岩波久美子さんの写真展に行って来ました。


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ガラス工場で職人が打ち捨てた吹きガラスの破片を10年ほど撮り続けた作品たちでした。

写真というのは、非常に不思議です。もう一歩向こう側を見せてくれるように。

繊細なガラスの破片、モノクロの写真。まるで木炭デッサンのような、しっとりとした静かな作品でした。

写真家の松本路子さんとのトークにお伺いしたのですが、その中でとても印象に残った事。

「ガラスというのは、水のような状態で、つまりまた熱を加えれば、溶けて形が変容する。陶器なんかは、冷めて固まってしまえば、もう熱を加えても元には戻らない。でも、ガラスは溶けて、別のものになる。だから今ただこの形に留まっているという状態。」

なるほどー!と思いながら、ああ金属もそうだなあと思う。

今、私の作る形に留まっているだけという金属を使って制作している、というのは、なんだか、言葉で形容しがたいけれども、自分の中でとてもピンとくるものがありました。

岩本さんは、とてもゆっくりした方で、この展示も構想10年らしいです。

そして、一枚一枚、たっぷりと時間をかけて一人で楽しみたいと思うような写真。

私は心の中の奥底には、誰も知らない花が誰のためでもなく、実はひっそりと咲いているのではないか、と思っていて、その花のイメージがモノクロで自分の中に実はあるのです。

見ようとするとそっぽを向いてしまうような、暗闇に咲く、白い美しい花。

「美」という言葉を、イメージに置き換えた時、この花が浮かびます。

いつか作りたいと思っているモチーフの一つです。

そして、岩波さんの写真を見た時、「あの花だな」と思いました。

この花を追いかけるには、ゴチャゴチャ生きていては駄目なのです。

ずーんとペースダウンして、ゆっくりじっくり、心が一つの音になるまで、全てをそぎ落として行った所に、一瞬ふと見えるのでは、なんて思っているのです。

私はいつも、こういう作品にとても惹かれるのです。

シンプルで、奥深いもの。

自分が真逆のものを作っているからなのでしょう。きっと。。。

展示には、予備校時代からの親友で、家具作家の鄙里沙織さん(夏に一緒に二人展をします)と一緒に出かけたのですが、帰りにご飯を食べながら。

そんな話(じっくり時間をかけた奥深いものに惹かれる。。。)をしていたら、「あさぎは即興だよね」と言われました。

あんまり意識していなかったのですが、まさに。。。

頭を抱えて掻きむしりたくなるくらい、私は即興の人です。

そしてますます、心の花は遠のくのですが、でもいつも憧れているのです。

「瞑想する形」とか、そんなタイトルを付けてみたいものです。

話は、ずれてしまいましたが、岩波さんの展示は火曜日までです。
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by aasaag | 2009-03-08 23:00


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