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2007年 10月 24日

No.14の結婚指輪

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インダストリアルなデザイン好みの彼と、お花とリボンが好きな彼女。
好みが全く違う2人のための結婚指輪を作りました。

素材はK18ホワイトゴールドに、縁取りのラインと指輪の内側は、K18ピンクゴールドメッキをかけました。
ホワイトを、ピンクでサンドイッチすることで、ペア感を出しました。
そして、(なんでかは知りませんが)14という数字が好きだということだったので、7つのダイヤを彼女の指輪に、7つのダイヤ型を彼の指輪に入れて、合わせて14の結婚指輪。

指輪の内側には、親指と人差し指を立てたポーズのマークを入れて欲しいという依頼で、なんともパーソナルなデザインとなりました。

デザインの相談で1度しか会っていませんが、とっても感じの良い2人で、やっぱりクライアントが素敵だと、作るのも熱が入ります。

こうやって、意味合わせをしていく、好きなものを思い出のあるものを、羅列していくようなデザインの仕方は私はとても好きです。

結婚指輪なんかは、絶対パーソナルであればあるほど良い!と思ってます。
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by aasaag | 2007-10-24 20:29 | personal orders
2007年 10月 14日

radiohead

やっとクリムトのブレスを作り終えて、個展に向けて真っすぐ制作出来るようになりました。

個展をどういうものにしていこうか、と考えながら、はっきりした答えはなく、〜〜という感じ、〜〜という雰囲気、ということばかり浮かんでいたのですが。
10日に、4年半ぶりに発売されたRadiohead(というイギリスのバンド)の新しいアルバムを聴いた途端、何もかもがすっかり吹っ飛んだ!という気持ちになりました。

このブログでも前にも書いたと思うのですが、radioheadの熱狂的ファンなんです。熱狂的ファンと書くのには抵抗がありますが、多分周りから見ればそのように見えるだろうと。
radiohead世代、なんです。多分、その世代って存在していると思うのですが、一緒に成長して来た、と思ってます。
10年前から、ずっと聞いて来ました。5年間、radiohead以外の音楽を全く聴けないという病的な時代もありました。(聴いても、何一つ心に訴えて来なかったという意味です。)
実は、好きな作家や、影響を受けたアーティストを聞かれる事がよくありますが、私はradioheadにしか本当の意味での影響を受けたことはないなー、とつくづく思うのです。

なんでそんなに好きなのか、自分でもよく分かりません。
ただ、radioheadの音楽には何かが入っていて、何度も何度も聴いているうちに、自分の中に眠っていたものがどんどん覚醒されていく、その中で癒される、という感覚があります。
どこにも手に掴める本質はなかったけれど、ここにある。と思える。
イメージがとめどなく溢れ出す。
それが止まらないので、とにかく書いておきたい、描いておきたい、このイメージと、この気持ち、この感情を、全部残さないと、とひたすら作りたくなるのです。
だから、私が本当に夢中に作品を作り始めたのは、radioheadと出会ってからです。
そのくらい、私の核の部分まで浸透してきて、そこにあるものを次から次へと引き出して来るのです。

10年前に読んだインタビューの中で、radioheadのフロントマン、トムヨークが言っていたこと。
「いつも本音でいるっていうゲームは自分で仕掛けて、自分ではまった罠だよ。それをやったら、もう逃げ場はないんだ。」
radioheadを聴き始めてから、私が始めた事。それは全くこれと同じで、いつも小さいノートを持ち歩いて、感情がフト持ち上がった時に、できるだけ忠実にどう感じるかをノートに書いて行く行為でした。
インタビューを読んだからではなく、そうせざるを得なくなってきて、始めたのです。
そして彫刻を展示する時には、(もともと彫刻をやってました)、このノートの切れ端と共に彫刻を展示しました。
はっきり言って、彫刻より、こっちの文章の方が人気があって、あまりに素直で気持ちが悪いと言われたり、共感されたり、沢山の人が反応して行きました。
その時、素直を追求するということは、人を動かすんだな。。。と強く感じました。
そして、多分それがradioheadが音楽でやっていること。どこまでも本音を追求して、見たくない現実を直視すること。それはとても痛いことだけれども、でもその生々しい痛みの中に、本当の救いがある。

私はそれから、離婚して(学生結婚していたので)、アメリカに行って、カナダに行って、色々なことがめまぐるしくありましたが、いつもいつも私はradioheadを聴いてました。
いつもいつもradioheadから影響受けて、制作してきて、ある時、もうradioheadは卒業しようと思いました。あまりにどっぷり浸かりすぎて、radiohead以外のものから何も感じなくなってしまっている自分が恐ろしかったのです。
radiohead卒業制作、と思って作ったのがThe breathing earth のブレスレット。
radioheadの前アルバム「Heil to the thief」から受けるイメージを断片的に書き出して行って、構成させてブレスレットにしました。(このブレスも、個展に出します)
このアルバムから受けるイメージは現実世界の闇と世界の終わりと救い、というような雰囲気だったのですが、ブレスのデザインが完成すると、どうしてもストーリーが付きそうな雰囲気なので、今度はブレスのイメージから詩を作ってみたら、なんと地球誕生のお話になってしまったのでした。
そして、このブレス以来、radioheadから影響を受けずに制作してきました。
(最初の3ヶ月は何も作れなくなり、本当に苦しかったですけど)

そして、私はフワフワとイメージの中を漂いながら、制作して来て、やっぱり自分を見失っていたと思います。
本質は逃げて行って、イメージと雰囲気だけが先行して、優しいものへ癒しを求めて、光の方へ、波風のたたない穏やかな感じを求めていくようになってました。

何か違うと思いながら、私は変わったんだと自分に言い聞かせて、30になったんだし、大人になるのよ!と言い聞かせて。

そんなところに、新しいradioheadのアルバム。
爆弾のように、私に落ちて来ました。
そして、だいぶ爆破されました。
見ないように、気付かないように、忘れてしまおうと一生懸命土の中に埋めて来た感情や、記憶やなんかが、全部掘り返されてしまったのです。
しかも、一瞬のうちに。

そして、イメージはとめどなく溢れ出して、この二日間狂ったように作りました。
楽しくて、ドキドキして、次の瞬間が読めなくて、行き当たりばったりの制作。
そして、思い出しました。
この、生命感というような感覚の制作の仕方。このドキドキ。
私は一体どんな風に作ってたんだっけ??と逆に数日前まで自分がどんな気持ちで制作していたかが思い出せません。

このアルバムが出たお陰で、私の展示も全く違うものになることになりました。

「素直から始めよう」と思いました。

展示で何を表現するか、どんなテーマにするか、どんな雰囲気にするかっていうのは、あさぎがプロデュースしなきゃだよ、と友達にも言われたのですが、はっきり何が言いたいのか自分で分からなくなってました。
でも、この音楽を聴いて、私の言いたい事っていうのは、いーっぱいあって、テーマなんてひとまとめに出来る言葉なんて全然ないけど、でもあえて言うなら、それは「どこまでも素直で」という一言だな。それしかない!と思ったからです。

だから、初心に戻ろうと思いました。

彫刻をやっていた時の展示方式に戻します。

全部、見せます。

ジュエリーも展示しますが、制作ノートや、文章、写真、それからインスピレーションを受けた音楽も聴けるように、iPODも置いて、私が影響を受けたもの、制作の背後にあったもの、全部まとめての展示にします。

そんな展示、ジュエリー界ではないだろう、と内心思ってます。
それが、良いか、裏目に出るか、知りません。
でも、今の私は、それをやってみたい、それが出来るのは個展でしかないから、と思ってます。

時間が限られているので、どこまで出来るか。。。。やれるだけやってみます。

やっぱりジュエリーっていうのは、美しい部分で。

でも華やかな部分だけが見えるショーより、私は舞台裏も見てみたい人です。
そちら側も見えて初めて、共感は生まれる気がします。

今回は、だからもっと素直に。

それは、結局radioheadに教えられてしまって。
私は卒業するんだとか、もう聴かないとか、偏屈を言わずに、素直にradioheadと成長していけばいいね。と、自分を熱狂的ファンで良い!と思える大人になったのかもしれません。

radiohead myspace 試聴 http://www.myspace.com/johnnygreenwood
ギターリストのページなので、試聴のうち3曲はradiohead、1曲は彼のソロです。

radiohead new album "in rainbows" ココからダウンロードできます。
アルバム価格は消費者が決めることになっているので、無料でもダウンロード出来ます。
(レコード会社との契約が満了しているので、今回は直接消費者に音楽が配信される画期的なことをして、ニュースになってます。)
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by aasaag | 2007-10-14 12:31